『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』をオススメしたい!

こんにちは。
恰好良い大人になりたくて
管理人のポンペイです。

今日は本を読みました。

『ぼくはイエローホワイトで、ちょっとブルー

 

なんとも興味をそそるタイトルです。

ただ、タイトルだけ聞くとどんな内容の本か全く想像がつきません。

 

Yahoo!ニュース本屋大賞2019ノンフィクション本大賞受賞した本であるということなので、読んでみることにしました。

 

今日はその感想文です。

多分この本ってネタバレという概念がないのではないかと思います。

 

何故ならノンフィクションですから。終始なだらかに話は進んでいきます。

この本を読んだ後、「率直に感想をどうぞ!」と言われたら・・・

 

「えぇ、まぁ、なんか、うんうん、なるほど、現実!今!!」

 

みたいな感じですかね( ゚Д゚)ツマリドンナカンジ?

 

ただ、大人だとか子供だとか関係なく、この本を読んで何かを感じられる人間でなくてはならないと私は思う。

そんな本を今日は紹介していきます!

 

どういうお話?何でこのタイトル?

まず、この本はイギリスに住む親子のお話です。

母親目線で話が進みます。著者のブレイディみかこさん、日本人です。

配偶者がアイルランド出身で中学生の息子がいます。( ゚Д゚)ハイグウシャテ!

 

その中学生の息子こそ本書の主人公ですね!

ノンフィクションらしく、ただただ日常を過ごす。

その日常の中で垣間見られる気づきや、発言こそ、この本のポイントなわけですね。

 

イエロー(黄色人)でホワイト(白人)で、そしてちょっとブルー(?)であると!

 

さも意味ありげなこのタイトルですが別に何かの伏線になっているわけではないです。

ただ、このタイトルの言葉は息子君から頂いています!(´◉◞౪◟◉)ホント?

 

私は中学生の時にこんな意味ありげな言葉を、ユーモアたっぷりに発せられるような青年ではありませんでした。

 

この息子君こそ実に鋭くこの世界の議論すべき問題について切り込むのです。素直な感性で!

 

正直、今の日本の教育は遅れているなぁと思ってしまいました。

(もう20年も前のことなのでもしかしたら今はビックリするほど進んでいるのかもしれませんけど)

 

少なくともイギリスのように感覚や感性を養う教育はしていないんじゃないですかね。

まぁともあれ、この本は特別なことは何もない。

日常の中でこそ生まれるリアルな疑問や問題について特にこれと言った解決策を提示するわけでもなく進んでいくまさにノンフィクションのお話なのです。

 

ここからは感想文。自分自身が考えさせられた箇所を切り取って感想を述べます。

 

『ファッキンハンキー』(人種差別用語)はダメで!「貧乏人!」はいいのか?

日本にいるとこの人種差別というものがあまり身近ではない気がします。

だからこそ、人種差別を平気でするのでしょう。

 

それは無知だから。

 

色々な場面で本書は言います。

 

本当ですね。

人間はよく知らないものに対して過剰に反応し、排除しようとする。

 

 

人種差別をしている人が、『我こそは人種差別の代表である』だなんて思って言葉を発してはいないだろうし、差別用語を発する時は自覚はあっても意味はないはず。

 

例えば、東洋人を見かけてこのチンク(差別用語)め!と発する時は明らかな挑発であったとして、「何としてもこの町から一人残らずチンクに嫌がらせをして追い出してやる!」なんて意志があってやっているわけではない。

 

ただただ、自分とは違う何かが目の前にいたから、何となく挑発しただけに過ぎないでしょうね。

 

やはり無知だからだと思います。

 

一方でチビ!だのデブ!だのくせーんだよ!みたいな日本ではお馴染みの悪態はどうか。

 

本書ではそれが「貧乏人!」だったわけですが、人種差別的な用語よりは軽いものとして描かれています。

それってどうなの?と息子君が考えるシーンがありましたが、私はハッとしたのです。

 

人種差別用語をまず知らない!(無知)と…。

 

そもそも人種差別がどれだけ繊細で気を付けなければいけない事柄かもわかっていないことが問題なのです。

 

バカとかハゲとかクソッタレとかしょうもないこと言っていないで、日本人はもっと人種差別そのものについて関心を持たなければならないと教えられました。

 

エンパシーとは何か?→誰かの靴を履いてみること

エンパシーって何だ?(´◉◞౪◟◉)オハズカシイ

 

横文字が多くて、おバカちゃんな私はすんなり入ってこない箇所がいくつもありましたが、その一つエンパシー。

 

エンパシーとは要するに【感情移入】という意味ですね。

 

エンパシーとは何か?

意味を知っていれば、「誰かの身になって考えたり、発したりすることです」とか言えれば十分でしょう!

 

ところが息子君曰く

「誰かの靴を履いてみること」

であるというのです。( ゚Д゚)ホントカヨセンパイ!

 

そんなお洒落なこと言えます?

自分の子どもがそんなこと言っていたら、どうした?熱でもあるのか?っと逆に心配してしまうレベルなのではないか?!

 

それほどまでにエンパシーとは何か?という問いにバチっとはまっている言葉に感じます。

このシーンはやはりこの本を読んだ人が「おぉ!」と感心してしまうシーンであることは間違いないでしょう!

 

極寒の雪降る日に路上生活者を助けるなんて考えたこともないです

最後に、何故か物凄く印象に残ってしまったシーンについて。

私自身、ゴリッゴリの日本人ですので、どうしても日本にないシーンは考えさせられてしまうんですよね。

 

イギリスの情勢とかは正直全然知らないですが、少なくともこの本に書かれていることが本当ならば、極寒の雪が降る日には民間人が路上生活者をカフェに誘導したり、食べ物を与えたりしているらしい。

 

おとぎ話みたいな話じゃないですか?

日本人(私)には極寒の雪の降る日に「今外にいる人は凍えてしまうのではないだろうか?」なんて思ったことはないし、90%以上の人がそうだと思う。

 

イギリスでの日常を見ると日本で言う「助け合い」が物凄く陳腐に感じてしまいますね。

 

日本でそういう意識のある人は限りなく少数派であるからでしょうね。

 

イギリスの生活をただただ描く本書にあって、あまりにも日本にとって非日常的なことが多いことに驚かされます。

 

最後に

もちろんこれらは本書の一部分に過ぎません。

アイデンティティについて、ジェンダーについて考えさせられる所はまだまだたくさんあって、みんな印象に残るシーンが違うのだと思います。

それがこの本の面白い所ではないでしょうか。

この本を読めばきっと感動する!きっと勉強になる!という本ではないと思います。

ただ、冒頭に書いたようにこの本を読んで何かを感じられる人間でなくてはならないとは思いました。

 

興味があれば読んでみて下さい!

 

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー [ ブレイディ みかこ ]

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